裏にボールをポーンと出して、富久がバーッと走っていって点を取っていました。区の大会は同じ学校から二チーム出場できるのですが、準決勝に麻布は二チームとも残った。それでおれらのチームは決勝に残れたけど、富久がいたチームは負けちゃった。だけど、おれらが精一杯やって一対〇ぐらいで勝ったチームから九点取って、あいつがいると違うんだなと思いました。おれらも決勝では負けましたけど。中学のときはなんといっても身体の大きさが違うから、どんなときでもだいたいボール持っちゃえば、富久はゴールが取れるという感じでした」（元サッカー部　村井隼）

　このとき信じられないようなシュートを放って、ゴールをゲットしている。
「ハーフラインをちょっと出たぐらいのところから、振り向きざまにみたいな感じで、蹴ったのが、ゴールに入ったのは忘れられないですね。あそこから決めるかなっていう。しかもゴールに向かってボール持っていてシュートならまだわかるんですけど、振り向きざまにみたいな感じだったんで、すごいなあと思いました」(元サッカー部　川岸亮造)