ぼくはボールを浮かすのが好きなんです。彼はグラウンダーを好んでました。それで一回、対立というか、試合中負けてると怒鳴るんですよ。一回いわれましたよ、浮かすなって。グラウンダーだとそのまま蹴ればいいけど、浮かすとトラップしなければいけないから、あんまり好きじゃない、というより得意じゃなかったみたいです。試合中は流れてますから、口論にはなりませんでしたけど、終わってから、『出せるときは出すよ』みたいな、妥協的な話になって。闘争心が人一倍強くて、負けているとフォワードにはボールがこない、攻められてるから。そうするとものすごく怒るんです。試合中は誰もが感情的になるんですけど、人一倍そうなりました。対戦相手とも、結構いざこざになって、チャージしたとかファールしたとかいって。コーナーキックのとき、向こうのディフェンダーが手を押さえるんですよ。もちろんファールなんですけど、ラフなゲームだとわからない。そうしたら、罵倒して、多分押して突き飛ばしたと思います相手を、彼が。口でいうのは日常茶飯事、彼の場合でなくても出ますけど、彼は量が多かったですね。逆に味方としては頼もしいんですけど」(平田悠悟)

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