みたいな感じで、この人スゲエなって。先輩のチームで点数入る七割五分から八割ぐらいは富久さんが決めてましたから。毎試合、あの人は決めてましたね。ぼくが一緒にやっていて、見習うというか、教わることが多かった。中三のとき、相手がガラの悪いチームで、うちのディフェンダーがボールと関係のないところで蹴られたんですよ。それで蹴ったやつは退場になりましたけど、荒れた試合になって。で、最後にお互い礼をするんですけど、睨んでくるんですよ。そんとき富久さんはスゲエいきりたってましたけどね、『やっちまおうか』とかいって。血の気は多かったですね、あの人。勝負になるとかなり熱い人です。勝負が絡んだり、仲間が絡んだりすると、かなり切れてましたね。仲間が蹴られたり、仲間が馬鹿にされたりすると。ただ損得で切れるような人じゃないですね。教わったことは、プレーのこともそうですが、試合中、おれが歩いてると『まだ時間あるんだから、走れよ』って、怠けてるとケツ叩かれましたよ。『バカヤロー、さがれさがれ』とか。あとは細かいプレーの指示ですね。『あそこは弱いから、そこを突いていけ』とか、『シュート打っていけば入るから』とか。