『どうにかなる』、そういうことばで励ましてくれた」
友だちとひと口にくくっても、それぞれ違うのだから、それぞれの関係ができる。信介は「親友は麻布ではできない」と家では吠えつつも、現実には多くの友人たちと多様で親密な関係を結んでいたのだった。逆にいえば友だちの数と同じ数の信介がいるということだ。
ラーメンへのこだわり
信介はいろんなことにこだわったが、食べ物、とくにラーメンについては素人の域を脱していた。信介が訪れたラーメン屋のリストが残っている。かなりの数だ。店の名の横には、点数が付けられている。その店別ランキングのほかにも、具別(チャーシュー、メンマ、麺)や味別(しょう油、塩、味噌、とんこつ)のランキングが記されている。ちなみに総合一位は横浜吉野町の「ぺーぱん」と横浜ラーメン博物館の「純連」。
パチンコには友だちと連れ立って行くことはないが、ラーメンに関しては積極的に友人たちを連れて行っているのは、信介にしては珍しいことだった。
「おれはテレビとかで、ラーメンのつゆ飲んだだけでどこのだっていうのをやっている人を見ていて、