ただ周りの連中は、彼がそれなりに泰然としていたんで、一目置いていた雰囲気があって、彼をからかったりするような雰囲気はまったくなかった。彼が人をいじめたりすることももちろんない、そういう存在じゃない。でも、みんなからは多少怖がられてるという雰囲気もあったような印象をうけました」(武神一雄)
「いつも眼光鋭く目標をみつめ、自分の考えで決めたことは歯を食いしばってでもやる」生徒であり、「男子校の中で硬派でい続けたすごさ」「群れずに一人でいるすごさ」を感じた職員もいた。「自分を貫く意志をもった理想の先輩」とも見られてもいる。
いずれにしろ一人の人間は単純に割り切れるものではない。そういう意味では信介に限らず、ある人に対する公約数的な見方はあるにしても、立場により、関係によってその人物の捉え方が違うのはあたりまえのことである。だから、信介は「大人びているようでいて、子どもじみたところも」(中村亮介)あって何ら不思議はない。大人と子どもが同居しているまさにその年代である。だが、小松亮介は「彼は大人でしたね。