彼がすごいたくさんの戦術をぼくにいったのを憶えています。彼は攻めで、ぼくは守りだったんですが、いろいろいわれまして、ぼくはそんなにうまくないですから、そのときから富久は足は速いわ、ずば抜けてうまかったですから。で、マークの仕方から、かなり怒られながら、『そうじゃなくて、こうなんだよ』とか。何回もいわれました。そういうところから仲良くなったんだと思います、きっかけとしては。面倒を見てもらったような」(道中祐仁)
中学二年になると、コンビを組めるような仲間も出てきた。
「お互いにサッカーですごく認め合っていた。で、むこうが上手いということもあるんですけど、他の人とはできなくても、富久だったら考えてることがわかる。一回、試合のときに、ぼくはディフェンスをやっていて、ボール取った瞬間に、見てないですけど何となく富久が動くところがわかって、富久が走っているところにビシッと、スルーパスを通したことがあります。そのときは『ボールを回していこうよ』みたいなことをみんなでいってたんですけど、おれはなんとなく富久がそこを走っているような気がして、