そして公式戦最後の試合となったのが、中学三年の九月の試合。
「麻布でやったんですけど、どことやったかは憶えてないんですけど、一対〇とかで負けてたんです。で、最後の最後にディフェンスがポカーンってクリアーしたボールを見て、今回はとりあえず攻撃はしのいだなとぼくは思っていたら、トミがボールを取って、ドリブルしていって、ゴールぶち込んで同点になった。負け試合だなと思っていたから、あれはすごかった」(平野至海)
その後、信介はサッカー部に顔を出さなくなる。
「中二の終わりぐらいから部活に出ないときも多少出てきた。多分そんくらいからボクシングをやってたんじゃないかな、という気がするんです。それとの関係で部活に出る回数が減ってきたときもあったんですけど。でも、上手いし速いから試合とかに出てくると、勝つためには使ったりとか。そういうところで、『練習に来てないじゃん』みたいな、そういう話はあったんですけど、直接的にはいっていないですけど、そういうふうにいっているやつとかもいましたね。中三のときにほとんど出なくなった」(川岸亮造)