麻雀友だち
信介は麻布に進んでから、からっきし勉強はしなくなった。だが、麻雀とボクシングの本はよく読んでいた。麻雀に関しては何十冊と読み、麻雀漫画もよく読んだ。だから、友人たちに麻雀を教えられるほど十分、それに精通していた。
「中二で麻雀なんか知らなかったのに、彼に麻雀のノウハウを全部教わった。ほんとは禁止なんだけれど、それで富久の家にはいいところがある(注・麻雀部屋)、それを利用しない手はないということで、放課後みんなで集まって遊んでました。たいていは休日の前の日とかですが、高一の夏休みなんかは、ほぼ毎日のように、泊まりがけで。あのころは壊れてましたね、ぼくら。メンバーはだいたいサッカー部のメンツで麻雀できるやつと高一のクラスの仲のいい連中でした。富久の家に行くのが、ぼくらにとって楽しみみたいなところがあった。寝るときは麻雀部屋で布団出してもらって」(道中祐二)
「麻雀は彼に教えてもらったんですけど、ぼくは。その関係がかなり続いてました。ぼくも、中三、高一はサッカーをそんなに熱心にやっていませんでしたから、富久の家で麻雀をやりに、何回行ったか、わからないですけど、