とかいってましたね。彼は自分のラーメン体験の話もよくしていたんですけど、今まで食べた中では、『ぺーぱん』というところが好きだっていうの。『これはほんとに美味い』っていうんですよ、『抜群だよ』って。で、事故の後、七月に恭介とうちの子ども二人と元町プールに行った帰り、昼どきだったんで、ラーメンを食いに行こうということになって、子どもたちが信ちゃんが好きだった『ぺーぱん』に行きたいと。で、ぼくには味が濃かったんだけど、恭介とうちの子どもたち二人は黙々と食べて、下の子は小学校二年ですから、残すかもしれないな、と思ったんだけど、三人ともきれいに食べましたわ。で、そこの奥さんに聞くと、『味が濃い、香ばしいスープ、麺が硬い、のが特徴』だということで」
しかし、ラーメンにのめり込む信介に対して、強烈な一発をかます友だちもいる。
「お前、これ知ってるってラーメン屋のことを聞くと、十中八、九知っていて、軽蔑したりしました。勉強しろよみたいな。勉強は口だけでしたね、彼は。頭はよかったと思いますけど、自分はやればできるんだというようなことをほのめかすというか、幼稚園のころもう二次方程式を解いたとか、