「三人いつも組んで帰ってたんで、サッカー部を辞めた瞬間にアメリカンフットボール部とラグビー部から勧誘がきた。で、ラグビー部のほうがよさそうだったんで入ったみたいな感じです、何となく流れで。入ってみて嫌だったらすぐ辞めればいいし、というようなことで」(中村亮介)
こんなかなりいい加減な動機で入部しているから、一応歓迎はされたものの、訝る向きもあった。
「あいつは、中村とか境野とかと一緒に、『暇だからやりてぇ』とかいってラグビー部に入ってきたのです。実際何でラグビー部に入ったのかわからなかった。ですが、戦力がちょっと弱くて、生きのいいやつを誘いたかった奥原が、富久の運動能力をかって、多分、最初は冗談めかして『入れ、入れ』と、いっていたのだと思います。結局、富久は実際格闘技とか好きだったし、ラグビーなんかもだんだん好きになっていったのでは。興味が湧いてきたというか」(牛島正道)
手抜きの練習
案の定というか、練習にきちんと出ることはなかった。