怖いなというふうに思ってたんです。入って来たときもあんましゃべらなくて、無口な印象だったんで、うわべだけの付き合いだったんですけど、だんだん向こうからもしゃべるというか、だんだん本性さらけ出して来て。仲良くなってくると、なんか面白いというか、馬鹿みたいで面白い。ものごとを多面的というか、いろいろな方向から捉えるような感じなんです。持ち上げたり、持ち上げられたりで、ほんとに馬が合う。会話というより、一緒にいること自体が面白いというか、一緒にいたいみたいな。それがずっと最期まで。どんどんよくなっていくという感じでした」(奥原慎平)

 サッカー部で一緒だった村井隼は信介がラグビー部に入って変わったのは、ガンガンいい合える人たちに巡り合えたからだという。
「偏見っていったらおかしいんですけど、こいつとっつきにくいな、ということなしに、ラグビー部のキチガイっぽい人たちが、ガンガンいいたいこといい合ってるんで、富久もなんだっていう感じになって。それで、富久が他のやつとも話せる感じになったというような気がすんですよ。単純に明るくなった。

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