子どもの実態としてはそういうことをすごく感じます。それに生活習慣を身につけるのがすごく遅れている。たとえば排尿、排便の始末とか、以前はほとんど自分でできて当たり前だったことができない。いま三歳児を受け持っていますけど、オムツして幼稚園に来たりして、以前なら家でしつけて来ていたところを今は、幼稚園まで持ち越しているということを、すごく感じます。それから、友だちが近くにいないせいなのか、初めての集団生活ということがあって、喧嘩が多いような気がします。自分が使っているものをとられると、それだけで許せなくて、我慢できない。きっと家では自分の欲しいものは何でも自分のものになるから、それが信じられないわけですね。兄弟もいないし。そこのところがいちばん大きいと思いますね。家に帰ってもひとりだし、ビデオを見て過ごしたりするから。また、歩いた経験もないですね。遠足に行くと半分ぐらい抱っこして、といいますから。身体を使う経験も少なくなっていますね」(吉村万紀子)