一対〇で勝てるんじゃないのなんて思ってたら、速攻で点を入れられちゃったんですよ。一対二でやっぱりだめかな、と思って、前半を終えたんですけど、ハーフタイムのとき、富久が『全部おれに出せよ、コーナーキックも全部出せ』というので、後半はそうしてたんだけど、あいつ足は速いけど、足技はだめなんです。それでも、おれはTFからもらったボールをあいつの前の方に出したんですよ。そしたら猛ダッシュして、キーパーも抜いてシュート打ったんです。それが決まって、二対二になって、すげえなあいつ、と思いました。相手のみんながうまい中で同点になったからすごくうれしかった。素人の集まりがって。それからあいつはますますサッカーにはまっちゃって、ガラスや電球があって危ないのに、廊下で蹴りまくって練習していましたね」(角洋平)
「あいつガラスをよく割ってた。それもいちばん高い網目の入ったガラス。おれは教室のガラス割ったことある。副校長から『ガラス割れてたけど、知らない?』みたいなこと聞かれて。『え、知らない』って、とぼけて」(山田達郎)