頭のよさは誰もが認めるところだったが、四年生のときに、自分の特技を「けんか」と記している。両親はそれを見て、冷やりとした。だが、多分それはこんな経験があったからだ。因みにこのときに書いた将来の夢は「世界征服」である。
「昼休みにボールを使って遊んでいるときに、ちょっとしたことでぼくと上級生とが喧嘩になったんです。そうしたらいきなり富久が来て『おれの友だちに何すんだよ』といってくれて、それでその二人がケンカになっちゃった。富久が熱くなってしまって殴り合っていた。それで先生に呼び出されて怒られたということがあって、印象に残っています。友だちといってくれたんで、うれしかったですね。富久はそのときすでに身体は筋肉質で、小学生とは思えないくらいでした」(天間悠介)
子どもらしい正義感というか友情に厚いというか、こうした性向は、中学、高校に行っても変わっていない。高校のときには、親しい友人に、常々「気に食わないやつがいたらおれにいえ。おれがブン殴ってやるから」といっていた。実際にはそういうことはなかったが。