上田 確か富久君だと思うんだけど、コンセントに針金を差し込んでショートさせたことがありましたね。大騒ぎになった。それも結局やってみたいというようなことで、そういう好奇心旺盛な面というのがあった。わざとそういうことをするような子もいるけども、普段悪さとかほとんどしないから、富久君の場合は、どうなるんだろうということがきっとあったと思うんです。真面目で一所懸命にやる子だから。真正面ですね。掃除なんかも一所懸命やっていましたし、勉強もできた。

堺井 理解が早いから、全部あっという間にできる。

上田 だから、みんなにとっては特別の存在。でも、なんでもわかっているから、威張ったりしない。

堺井 『先生そんなの知ってるよ』なんてことは、絶対いわない。授業も黙ってしっかり聞いていてくれた。

上田 いらないことは絶対口にしない。逆に自分がすごくいい意見を持っていても、ちょっと抑えてしまうところがあった。

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