ですから、リーダー的な部分というのはあまりなかったんですけども、周りからは大変信頼があったという印象が強かったですね。もうひとつ特徴的なのは、先生方にどんどん自分から質問に行くということはあまりないんですね。普段、子どもたちは先生の周りにきて、ギャーギャー騒ぎながら質問しますが、彼にはそういう雰囲気はあんまりない。でも彼自身は自分で課題を見つけて、課題というのは、当然ここでは勉強ということですが、それを自分で解決して行くんです。たとえばクラスに共通の課題を与えますね。そうすると彼はその後は、自分できちっきちっとやってくる。この辺が他のお子さんがたと、ちょっと雰囲気が違っていた。ですから、そういう面では六年生とはいうものの、自分の考えを非常にしっかりもっていたお子さん。これは先生方の共通した理解だったですね。周りから見ていて、普通の六年生とは違って大人だな、と。この辺はご家庭の教育がしっかりされてたのかな、という印象が強かったんですね。私どもに共通している印象は、そういう面では手のかからなかったおひとりなんです。いくら優秀だとはいえ、しょせん六年生ですから、しょっちゅう注意されたり、怒られたりしている子っていうのは結構いる。