それでも一度、教室で騒ぎを起こしたことがあった。しかしそれがかえって、友だちの信頼を深めることになる。
「社会の授業のときに富久が何かふざけていったら先生が怒っちゃって、こんなんだったら授業はやめるみたいなことをいった。そのときに富久が『ぼくは別に授業は受けなくていいから、みんなは受けたくているんだから、授業を続けて下さい』といったのを聞いたときは、小学生なのにこいつはすごい、大人っぽい、自分じゃ絶対いえないだろうなと思った。結局富久がそういったことで先生もそこまでいうんだったらと、授業を再開してくれて、うまく収まった。大人っぽいということでいえば、ぼくは気が短かった方なので、よく人と喧嘩したんですが、テストのときか何かに平日教室の授業が一緒じゃない人と喧嘩したときとかも、あいつに止められた憶えがあります。原因はよくわかんないけど、些細な喧嘩なのにぼくがすごく興奮しちゃって、それを富久が止めてくれました。そういうときはいつも冷静で。あいつは大きいし、ぼくは小さかったんで、あいつに止められたらぼくは動くことができない。で、終わりって感じ」(元四谷大塚同期生 木村洋太)