(麻布中学・高等学校校長 根岸隆尾)

中高六年一貫教育のもと、校風はあくまでも自由闊達である。生徒たちはもちろんのことだが、教師たちも自由である。教える側が自由であるからこそ、生徒たちと自由を共有できるという理である。
「学校全体として、大切にしているのは、生徒の特質といいますか、能力、才能、それぞれの面での多様性です。その結果、卒業してから、いろんな能力、才能を持った人がそれぞれの分野で、社会人として活躍しています。画一化されていない個性といいますか、個としての人間といいますか、それを大事にして生徒を育てている。それに生徒も、大きく間違うということはありませんし、人それぞれの限界というのはわきまえている。そこは十分に信頼していい。ですから、文字で書いた校則はとくにありませんけども、学校というのもひとつの社会的な組織としてあるわけですから、自ずから生まれてくる決まりというのはあります。で、いちばん厳しくしているのは、相手の人間性を傷つけたり、蹂躙すること。具体的にいえば、暴力とか、いじめとかは絶対許さない。そういう点ではかなり厳しく対処します。

目次
- 117 -