そういうことがなければ、彼らがもっているものを伸ばすためには、ある面ではそんなに縛らないほうがいい。教員も同じなんで、教える教員が自由でなければ生徒の自由なんてあり得ない、というふうに思っています」(根岸隆尾)

「生徒の自由というのがすごく強調される場ですから、教員も自由なんです。校則があると、たとえ内心では、こういう校則くだらないじゃないかと思っていても、教師は校則に沿った指導をせざるを得ない。それが麻布にはないということは、それぞれの教師が個々の信ずるやり方で生徒に対しているということなんです。そういうことは人間としていけないと思いつつ、やらざるを得ない、という仕事はほとんどありません、麻布では。自分で正しい、いいと思う方法でやらせてくれる学校なので、すごくありがたいと思っています」(元高一担任 村上健)

「麻布は教師を自由にさせてくれる。教師の管理職は校長だけですからね、教頭もいない。極端にいえば、教師の管理職は内容的には生徒です。われわれは生徒とちゃんと向き合えなければ話にならない。そういう意味で、生徒のことを常に意識している。

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