中学校三年の冬、サッカー部の仲のいい連中と最初にして最後のスキー旅行をした。信介は小学校二年のときすでに三級を取っていたからスキーの腕前は相当なものだったが、場所を移しただけで、悪戯とギャンブルは何ら変わることはなかった。

「彼はスキーも上手いんです。ぼくは彼に無理について行って、こけた憶えがあります」(道中祐仁)

「スキーに行ったとき、水にタバスコを全部入れて飲む罰ゲームがあった。誰が飲むかということになって、ジャンケンしたら、ぼくと富久が負けたんです。そしたら中村が、さらにタバスコを入れまくって。最後に運よくぼくが勝ったんですよ。ほんとすごい色してたのを富久がイッキ飲みした。昼にスキー場でそれをやったんですが、富久は午後、帰っちゃいました。体調悪いとかいって、旅館で寝込んじゃいましたよ」(平田悠悟)

「おれと小松、境野と富久がそれぞれチームで、サッカーのテレビゲームをやった。負けたチームが勝ったチームにお菓子かなんかを上げるというので。

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