それが富久君にはある。結局、目立つのは、人への当たりが強くて抜けていくからですよ。センターはスピードがあって、ステップを上手く切ってたし、十五番も結構突破力がありましたね」
柴田自身も高校、大学とラグビーをやっていた。ハーフを中心にいろんなポジションを経験した柴田は、ラグビーの面白さは接触プレーのそれにあるという。ラグビーはチームプレーであり、ヘッドワークである、とも。だから、麻布はそこそこのチームになれるはずだと語る。

「頭のいいやつがそろっている学校というのは、体力はないかもわからないけど、運動神経のいいやつはかなりいるはずなんですね。だから、どちらかというと、走力の優れたやつが入ってくれば、そこそこの戦いをするチームになるのじゃないかなという気はしてるんです。レベルが違いすぎると駄目ですけど、フォワードで負けるのをバックスでカバーするというチーム。切れる足をもっているやつがセンター、ウイングあたりにいると、相当違うと思うんですけどね」

柴田は一試合見ただけで、信介と直接の面識はない。だが、と断りつつも、