そうしたらキャプテンが走ってきて、キャプテンはいつも切れてるんですけど、『いいよ、いいよ、ぜんぜんOKだ』みたいなことをいってくれた。おれはオイオイ泣いちゃって、『絶対止める』とかいいながら」(渡慶次)

「マイボールのラックができて、で、ボールがポロって出たんですよ。それをうちのフォワードがボーッと見ていて、相手に拾われた。それで均衡が破られた。で、おれたちが、あ、ヤベーとか思って、下を向いてたら、あいつがひとりでぶち切れて、『何でマイボールなのに拾わねぇんだ』みたいなことをいって、五分ぐらい止まらなかった。みんな沈んでたところで、あいつが凄いことになったんで、『ああ、頑張ろうかな』って、みんなそんな感じになりました。でも、もう一回トライを取られて負けたんですけど、あんときはびっくりしました」(石津)

 最終の試合に勝つことはできなかった。でもいい試合をしたという充実感はみんなの身体の中に残った。高校二年生はこれで引退、「ノーサイド」の世界とのお別れだ。
 ラグビーは終わったが、信介にはボクシングでインターハイに出場するという次なる目標があった。

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