手元に信介の「選手手帳」がある。日本アマチュアボクシング連盟発行のこの手帳は、試合毎に携帯を義務付けられており、もし忘れたりすると、出場できない。「この手帳は選手の健康管理のための検診、計量、試合内容、結果、体力測定などの記録をするためのものである」(同手帳より)。だから、これを見ると、全戦績、健康状態がわかる。

「神奈川だと、事前に健康診断書と申し込み書、学校長の認知書と親の認知書とを決められた期日までに送って、それを役員が全部回収した段階で抽選会をするので、その時点で組み合わせがわかる、少なくとも試合の一週間前とか、十日前ぐらい前には。でも、東京都の場合、前日に検診計量があって、その結果パスしたら、そのときに組み合わせを決める。で、当日も、検診計量がある、もちろん神奈川でも。検診計量は試合があるたびに必ずやる」(平戸正幹)

信介は、初戦の日に登録を申請してアマチュアボクシング連盟に加入し、試合をした。この手帳の発行は後日である。だから、ここには初戦の記載はない。

目次
- 239 -