十二人ぐらいやりたいといったので、鼓笛専門の先生がオーディションみたいなのをやったら、信介君は可愛そうに落っこちたんです。それですごくショックを受けて、涙を流したりしていた。で、彼はそれを憶えていて、小学校のときにBSCでポロッと、『おれ、落っことされたんだよな、S先生に』っていっていたらしんです。すごく悔しくて憶えている、と。そういうことでは、何でもやってやろうというような積極性がありましたね。音楽的な面はそう得意でもないのに、やってみようという気持ちを持つことは、とってもいいことですよね。結局、中太鼓をやっていましたが、鼓笛の先生は頼りにしていました。リズム感があまりなくてもしっかりしてるというので。トランペットのときは、信介君は結構目立ちたいのかな、という感じもありました。脚光を浴びたいというと、言葉が悪いですけど、選ばれるということに、すごく憧れを抱くような感じはあったかもしれません。カッコいいものに憧れるというか」(吉村万紀子)