でも、お互い干渉し合わないんです。過度といってもいいかもしれないですけど。こいつは違っているという、でも、けなし合っていたわけじゃない、違うからといってそういうわけじゃない。こいつは違うからおれの趣味に合わないという、別に確かめたわけじゃないですけど、そうお互いに決めつけ合ってというんですかね。そこら辺は変わらずに来ている。ある意味では大人ですかね。でも、子どもっぽい喧嘩はするんですよ。あいつがあれを食べたからとか、あいつが先にあれをやったからとか、結構頻繁にあったんですよ。でも、後には引かないで、それはそれで終わっちゃう」(恭介)

照れ屋で臆病


 気難しい面もあった。年中組の七夕祭のとき、ひとりだけ浴衣を着なかったのである。変わったことをするのが気恥ずかしい、という気持ちがあったのかもしれない。すでにこのころから、自意識が芽生えていたのだろうか。しかしそれでも年長組のときはなんとか着用した。
「年中組のとき、信ちゃんだけ浴衣を着てなかったんです。多分嫌がって着なかったんだと思う。性格的に、着ないとかいいそうだから」(合田知佳)

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