二位にも準優勝カップをくれればいいなと思った。」
負けず嫌いの性格がよく出ているが、文章自体も六年生としてはかなり上手い。
サッカー狂い
信介は四年、五年のときは小学校の陸上部に所属していた。六年のときはバスケットボール部である。邦彦も高校ではバスケットボールをやっていたから、それを知っていて、選んだのだろうか。どこか邦彦のコピーのようなところも信介にはあったから、そうであったかもしれない。
だが、小学校六年間やり通し、最も熱を入れて練習し、将来を夢見たのはサッカーだった。先述のように小学校一年から三年まではYMCAのサッカークラブに通ったが、それほど上手かったわけではなかった。四年生のときはサッカー好きの仲間と、朝や放課後、一緒に遊んでいた。
「放課後は一緒にサッカーをやっていました。朝はいつも七時くらいからやっていて、そのときは違うチームだったんです。各チームは仲のいい連中が勝手に集まって作ってました。ぼくのチームがいちばん強かったんです、学年で。