やけどしてみみず腫れになっていた。先生は大騒ぎで『水道のところに行きましょう』とかいって。ぼくらは大丈夫かなと遠巻きに見てたんですけど、ずっと冷やしていました。『なんともない』というから、頑丈な身体してんな、と思ったんですけど。あいつは頭もいいし、運動もできて、すげえや、このやろう、と思ったことはありましたね。何ひとつ勝てないから、サッカーだけは負けねぇぞ、という感じはありました。だから、サッカーに関してはライバルだったような、少し競っているようなところがありました。プレーのタイプは違いましたけれど。で、同じ中学校に行って、小学校の続きのようなことをやるんだと思っていましたけれど、入る直前に、『麻布に行くんだ』というので、『あっ、そうなの』と。中学を受験するやつが小学校にいるということを知ってはいたんですけれど、あいつがまさかそんなに勉強をしていたとはぜんぜん思わなかったので、常におれと遊んでいたから。勉強の話もぜんぜんしなかったのに。でも、おかしいなとは思ったんです、学校のテストとかもほとんど百点とかとっているんですよ。こいつ頭いいな、ヤッベーなと。たぶん勉強していたんでしょうね。