「小学校の先生って塾嫌うんですよ。だから、知佳もすごくいわれて。ボーッとしてるというか、ちょっとよそ見してると、すぐ当ててくるとか、しゃべっていると当ててくるとか。当てられても答えられるのを先生はわかってるのに、当ててくるから、何なんだろうって。女の子は内申書がいるんですよ。だから、無視するわけにいかなくて、結構大変だった。麻布は内申書が要らないですからね。今考えれば、内申書なんてあんまり関係ないと思うんですけど。何書かれているのか自分で見られないというのが、いちばんつらい」(合田知佳)

 邦彦は信介に宿題はやらなくていい、授業も聞かなくていい、と許可している。学校の授業よりはるかに進んだ内容の勉強をしているし、宿題なんかをやっていると、信介が遊んだり、好きなサッカーをやったりする時間がなくなってしまうから、と判断したためだった。親も半端じゃないが、それをそっくりそのまま聞いた息子もなまじのものではない。

 信介は幼稚園の年中組のときから、公文式に通っていたが、卒園のときには、分数がすらすらでき、小学校三年のときには一次方程式が解けるまでに

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