「上大岡の校舎のころは人数少なかったから、全体的に仲良かったと思うんですけど、四年生のころのことは断片的にしか憶えてないんです。でも、富久君がＹ君と二人で切れて騒いでいたというイメージがある。いつも二人が先生に叱られていたような記憶があるんです。それでＹ君とかとふざけ合っていて、上大岡の校舎の壁にバーンってパンチを入れたら、ボコンと大きな穴が開いちゃって、すごく怒られたり。オロナミンＣとかをふざけてガァーッて振って、それを教室にワァーッて散らばしていたこととか。あのころは落ち着いた面もあったけど、子どもっぽいところも相当あったような気がします」（元四谷大塚同期生　松本暁子）

　勉強はむろんできたが、友だちとつるんでいたずらもしでかしていた。このころ邦彦は会社を始め、弘明寺の駅から程近いところに事務所を構えていた。住居とは駅をはさんで、反対側である。身体が大きいといってもまだ子ども。しかし、大きいがゆえに、バス停で因縁をつけられたこともあった。そんなこともあって、信介は父の事務所に寄ってから一緒に帰るのが習慣になった。