を自身で感じていた。終わってみればなんということもなく二十七名の枠の中に入った。ここで過ごした半年間の総合成績は、二教科で二番、四教科では三番だった。こんな信介でも、日曜テストでトップを取ったのは一度しかなかった。
寡黙な男
「麻布・栄光コースは、そのクラスを担当する各教科の先生を決めて、その先生が夏休みから二月の入試の最後まで、授業を担当します。特別コースのカリキュラムや教材もそのもたれた先生が独自に組まれます。ですから、予習シリーズ四は特別コースではほとんど使いません。子どもたちが自らそれをやって、もし何か壁にぶつかれば先生に質問というかたちでもってきて、自分で解決するようにしている。授業そのものは、担当された先生が自分で計画したプランで二月まで指導する。ということは学校側としても先生に相当な信頼を置いているということです。よほど学校側がこの人は、と思わないとなかなかできない。この特別コースのほかに、日曜日はこの当時、記述コースというのがありまして、私どもはKコースと名づけておりましたが、彼は麻布志望ですからK講習をとっていまして、